オンライン時代のPalmware誕生!〜cccレビュー〜



by 機長

 というわけで、「ccc」がついに正式にリリースされた!

 うん?cccって何よ?…そりゃ当然だ。今年3月のパムフェス2002の会場において試験的に配付されたことはあるが、正式公開は初めてだ。説明しないと何が何やらわからない。



●cccって、そもそも…

 cccはそもそも、CLIEのためのファンサイト「クリクラ!」において、きわめてシンプルなPalmOSらしい理由から生まれた。

 つまり、PalmOSが単体でインターネットに接続することが比較的簡単に出来るようになった時代を迎えて、ウェブサイトの情報をPalmOS的なシンプルな方法で、たとえば、ボタンひとつでゲットできないか?…という素朴な理由から生まれたらしい。



 というわけで、最初は「クリクラ!」自身の内容をボタン一発でゲットできるように作られたのが「ccc」のスタートだった。そういう意味では、Palm社純正のWebClippingにも似ている。だが、WebClippingとcccでは決定的に違う点がある。それは前者がほぼウェブブラウザ的にウェブ情報を単にゲットするだけなのに対して、後者の「ccc」はPalmOS世界における定番フォーマットのひとつ「DOC」書類に変換してくれるのだ。その結果、ネット接続が終わった後でも、取得したデータをいつでも読むことが出来る。

 何が便利と言って、これらの作業のために必要な動作は二つだけだ。インターネットに接続可能なPalmOSマシンにおいて、アプリのアイコンをクリックして、続いて「取り込み開始」というボタンを押すだけ。これだけでデータがダウンロードされて、おまけに自動的にDOC書類に変換してくれる。操作が極めて簡単だ。

 おまけに、ダウンロード作業は当然のようにインターネットにオンライン接続された状態で行われるが、DOC変換作業はオフライン作業で行われる。つまり、通信費が無駄にならない。



●サイト・アイコンについて…

 cccが単に「クリクラ!」のためだけの閲覧ソフトで終わっていたら、それほど大きな話題になることもなかった。だが、cccはとても便利な進化を遂げた。

 つまり、cccにはサイト・アイコン(通称「アイコン」)という概念があって、「クリクラ!」以外のサイトでもこのサイト・アイコンさえでっち上げてしまえば、「クリクラ!」と同様にダウンロードとDOC化が自動的に出来るのだ。おまけに、これはWebClippingと似ているのだが、このサイト・アイコンは標準ランチャーにおいては、普通のアプリケーションのようにアイコンが表示される。ちょうどこんな感じ。(↓下図)



 で、上図に並んでいるのは、先日「クリクラ!」のSPAさんから送ってもらった試用版に同封されていたサイト・アイコンだ。正確に言うと、一番最初の「ccc」はサイト・アイコンではなく「ccc」のアプリケーションそのもので、これを押すと「クリクラ!」用のアプリが立ち上がる。で、それ以外のアイコンが、まさにそのサイト・アイコンだ。

 そして、機長に関連するものでは、この「パルマガ」と「gwj」のサイト・アイコンが用意されている。

 

 どれもロゴ以外は共通のインターフェース。PalmOSの伝統を組んできわめてシンプルな構成になっている。

*「ロゴ」(サイト・アイコンによってデザインが違う。ここをタップすると…)
*「巡回日時」(最新の巡回日時を表示)
*「DOCリーダー自動起動」(すべての作業が終わったら自動的に専用DOCリーダーが立ち上がる)
*「自動的に回線を切断」(ダウンロード作業が終わった時点で即座にネット接続を切ってくれる)
*「ccc終了まで接続を意地」(文字通り)


 

 ま、あまり複雑なことを考える必要はない。3つあるチェックボックスのうち、上の二つにチェックをしておけばま、ことは足りる。MENUボタンから呼びだすドロップメニュー自体も少なくてシンプルな構成だ。「使い方」コマンドから読める解説もわかりやすい。



 あと、便利な機能としては「ロゴ」の部分をタップすると、下図のようなボタンが登場する。



 ここにあるボタンはそれぞれ…

*「文章を閲覧」(最新のDOC書類を読める)
*「アイコン情報」(そのサイト・アイコンに関する情報が読める)
*「取り込み開始」(アプリのトップにあった同名ボタンと同じ)
*「キャンセル」(アプリのトップに戻る)


 ちなみに「アイコン情報」はこんな感じ!

 

 なお、「ccc」には現在、14個のサイト・アイコン(6月3日午後現在)が同封されている。



●c3dについて…

 さて、大事なことを忘れていた。「c3d」についてだ。これはひとことで言えば、「ccc」専用のDOCビューワ(DOC書類を読むためのアプリ)で、これまで何度も説明したように、cccがウェブ情報をダウンロードした後で、DOC化作業を終えると自動的にこのc3dが開いてくれる。

 

 なお、このc3dはccc専用らしく、c3d単体で使うことは出来ないようだ。このc3dも構成はきわめてシンプルにできており、読んでそのままの「cccに戻る」ボタン以外には、画面右下に並ぶ2つの「A」以外に操作すべき機能がついていない。この「A」ボタンは文字サイズの調整用についていて、大きな「A」を押すと文字の大きさが大きくなる。スクロール等は上下ボタンやジョグダイヤルで行う。きわめて簡単なDOCビューワだ。(なお、NR70の広い液晶にも対応しているらしい)



●cccIconMakerについて…

 さらに、この「ccc」の凄みとして最後に紹介したいのは、サイト・アイコンをユーザーが自由に作れてしまうということだ。そのために使うのが「cccIconMaker」というソフト。ただし、これは今のところWindows環境だけのようだが、好みのサイトを、好みの加工基準で設定して、好みのサイト・アイコンを作れてしまうらしいのだ。つまり、サイト主催者は自分のサイトのサイト・アイコンを自由に作ることが出来るらしいのだ。これは素晴らしい。





●まとめちゃうと…

 とにかくそのシンプルな構成が気に入った。複雑に悩む必要なく使える。cccが55KB、c3dが13KB、サイト・アイコンが各6KB程度…という比較的小さなサイズも好感がモテる。ある意味、オンライン時代のPiloWebとでも言うか、いつも読みたいサイトがあるならサイト・アイコンを持ち歩きたいところだ。もちろん、いつもじゃないサイトはやっぱりウェブブラウザで読むことになるだろうが…。

 注文がない訳でもない。たとえば、現在のところ、サイト・アイコンは標準ランチャーでこそ表示されるが、Crs-Launcherでは表示されなかったり、あと、サイト・アイコンから別のサイト・アイコンに移動するための方法がランチャー経由しかなかったりする点は、個人的にちょっと不満だったりもするが、構造を複雑にすることなく更なる進化を期待したいところだ。

 とにかく、自らのPalmOSマシンが直接オンラインでネット接続できる時代、このソフトには必然性があるし、とても魅力的だ!

■ccc(CLIE User Club!)

ccc

【追伸】
ところで、上記の「●まとめちゃうと…」「現在のところ、サイト・アイコンは標準ランチャーでこそ表示されるが、Crs-Launcherでは表示されなかったり」と書いたばかりだが、昨日(6月3日)、Palmware作家の高橋大樹さんが「Crs-Launcher」の正式版を公開して、この中で「ccc」にも対応してくれているそうだ。(未確認)
 別に機長のリクエストに答えた訳でもないだろうが、素早い対応に感謝!>高橋さん!


【追伸2】
ふふふさんの書いた「サイト管理者の皆様へ〜『ccc』のサイト・アイコンを作って公開しませんか!」もよろしく!こちらは、上のコラムでは紹介していない「cccIconMaker」に関するコラムだ。